2018/10/15
イラン北西部東アゼルバイジャン州、ヘリズ郡の郡都。
サバラン山の麓に位置する農業の町で、住民はトルコ系のアゼリー(アゼルバイジャン人)がほとんどです。
ヘリズにおける絨毯製作は、19世紀後半にタブリーズの絨毯職人の指導のもとで始まりました。
ヘリズ絨毯と言えば、大きな8弁のメダリオンとサルトランジを配したダイナミックな幾何学文様が特徴。
織りは粗いものの、その丈夫さからヨーロッパでとても人気があります。
丈夫さの理由はこの地域で産するウールにあるとされ、サバラン山が銅の鉱脈上にあるため、銅の成分を含んだ水が羊のウールを弾力性の高い高品質のものとしていると言われています。
19世紀に製作されたヘリズ産ウール絨毯とシルク絨毯
ただし、初期に製作されたシルク絨毯はウール絨毯とは全く異なる緻密な織りの繊細なもので、当時のタブリーズ・シルク同様、曲線を用いたデザインの作品も見かけます。
ヘリズ・シルクはその希少さから高値で取引されるのが通常。
ウール絨毯、シルク絨毯ともにトルコ結び、ダブル・ウェフトの構造です。