現存する最古のペルシャ絨毯

現存するペルシャ絨毯のうち、製作年が織り込まれている最古の作品は、現在ミラノのポルティ・ペッツォーリ美術館が所蔵する「狩猟文様絨毯」とされます。

狩猟文様絨毯

狩猟文様絨毯は1870年にローマのクイリナーレ宮殿で見つかったもの。

クイリナーレ宮殿は1583年にローマ教皇であったグレゴリウス713世の夏の住居として建てられたれた宮殿で、かつては教皇の住居と教皇領政府が置かれていました。

1870年にヴィットリオ・エマヌエレ2世のイタリア王国によりローマが占領されて教皇領が廃止され、宮殿内を片づける際に7枚の断片として出てきたと言われます。

クイリナーレ宮殿

イタリア王国第2代国王ウンベルト1世の妃、マルゲリータ・ディ・サヴォイアの命によりそれらは繋ぎ合わされて一枚になりますが、いくつかの欠損箇所がありました。

欠損した部分の一つは1980年になってから、東洋美術学者であるジョン・エスケナジ博士が個人のコレクションの中から発見しています。

 

狩猟文様絨毯(部分)

それはさておき縦5.70メートル、横3.65メートルのこの絨毯はタブリーズで製作されたものとされ、フィールドには狩猟に興じる男たちの姿と大きなメダリオンが配されています。

メダリオンの中心には作者ギヤース・ウッディン・ジャミの名とイスラム暦929年(西暦1522/3年)の年号が織り込まれているのですが、929年が949年と読めるとして946年(西暦1539/40年)に製作されたアルデビル絨毯の方が古いとする説もあり、すっきりしません。

年号が織り込まれていない絨毯については詳細な製作年を知る由もありませんが、後述する「チェルシー絨毯」を現存する最古のペルシャ絨毯と見る研究者もいます。

ポルティ・ペッツォーリ美術館の展示室(左壁面が狩猟文様絨毯)

 

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