20世紀最高の絨毯作家|ペルシャ絨毯専門店フルーリア東京

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イランにおける絨毯産業は、19世紀末から第一次世界大戦に至るまでの30年間ほどの間に見事な復興を遂げました。

そんな中、のちに「20世紀最高の絨毯工房」と称される絨毯工房が登場します。

イラン北東部の町、マシャドのアブドル・モハンマド・アモグリによって開設された工房がそれ。

 

アブドル・モハンマド・アモグリ(?~1937年)とアリー・ハーン・アモグリ(1892~1957年)

アブドル・モハンマド の父親であるモハンマド・カフネモイはアゼルバイジャン地方の出で、もとは生糸商でした。

のちにモハンマドはタブリーズで絨毯を商いはじめ、1880年代にマシャドに移り住んでアモグリと改姓。

絨毯製作を開始したと伝えられます。

そんな父親のもとで育ったアブドル・モハンマドは絨毯に興味を抱いて育ち、アルデシールという名の小さな工房で絨毯作家としてのノウハウを身につけました。

そして、19世紀末に独立。

弟のアリー・ハーンが兄を手伝い、シャンディズやマフムーダバドに機を置いて事業を徐々に拡張してゆきます。

アモグリ工房の作品

アブドル・モハンマドのこだわりは、他所が真似できないほどに細かな織りの絨毯を作ること。

120万ノットから、ときに200万ノットにも及ぶ繊細な作品は、布のようなしなやかさで世に知られるようになりました。

下絵は著名な下絵師であるアブドル・キャリーム・ケルマニとアブドル・ハミド・サナートネガルに依頼。

英国で出版された2冊のアンティーク絨毯の図録をもとに、サファヴィー朝期のデザインをアレンジして独自のものへと昇華させます。

当時のペルシャ絨毯とは明らかに一線を画すその作品に魅せられたレザー・シャーは、サーダバード宮殿と国会議事堂に敷く巨大な絨毯を発注しました。

 

サーダバード宮殿にある2枚のアモグリ作品

そうして名を知られたアブドル・モハンマドでしたが、暮らしは決して裕福ではなかったと言います。

アブドル・モハンマドが没してからも工房はアリー・ハーンにより運営されていましたが、1940年代後半に閉鎖されました。

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