2018/10/09
パフラヴィー朝の時代になると、ペルシャ絨毯を一つの学問として研究しはじめる者が現れはじめます。
その先駆となった人物について触れておきましょう。
その人物はアーサー・セシル・エドワーズという名の英国人。
オリエンタル・カーペット・マニファクチュアズ社(以下OCMと呼称)創業者の一人、ジェームズ・ベイカーの甥であるエドワーズは、OCMの事業をイランに拡大するため1911年、妻クララとともにイラン中西部のハマダンに赴任しました。
彼は手織絨毯の工場をハマダンのほか、スルタナバード(現在のアラク)、中南部のケルマンに開設し、絨毯産業の復興に貢献します。
1923年、エドワーズはロンドンに戻りOCMの重役となりますが、イラン滞在中にペルシャ絨毯に魅了されてしまっていた彼は退職後の1948年、再び妻を伴い更に絨毯についての知識を深めるためイランを訪れました。
数か月をかけてイラン全土の産地を廻り、ペルシャ絨毯についての詳細なデータを集めたエドワーズですが、1953年にこの世を去ります。
その後、彼が遺した膨大な記録はクララが纏めて『THE PERSIAN CARPET』として出版。
世界中の絨毯研究者たちの手引書となりました。
同書は2018年4月7日、ジェラルド・ダックワース社から再版されています。