アッバス・アリー・アラバフの作品|ペルシャ絨毯専門店フルーリア東京

アッバス・アリー・アラバフの作品

サファヴィー朝期に製作されたペルシャ絨毯のデザインに独自のアレンジを加えた作品で、フィールドはチェルシー絨毯、ボーダーにはアルデビル絨毯の影響が見られます。
二つの形のメダリオンをオール・オーバーに配したデザインですが、それぞれのメダリオンの四方にはカルトゥーシュやパフラヴィー・クラウンが連なっており、更に中央のメダリオンには四つの大きな花瓶が接続されています。
斬新に見えながらも古典の法則を外していない様こそは、ペルシャ絨毯は伝統に基づいて製作されるべきであるとするアラバフの信念を具現化したものといえるでしょう。
内ガードの下部2カ所に八芒星の形のアラバフのサインが織り込まれています。

アッバス・アリー・アラバフの作品

上の作品同様、サファヴィー朝期のペルシャ絨毯のデザインを踏襲した一枚で、本作にはポルトガル絨毯の影響が見られます。
ポルトガル絨毯はタハマスプ1世(在位:1524~1576年)の治世下において製作されたもので、鋸歯状の縁を持つ5層から6層のメダリオンと船に乗ったポルトガル人が配されているのが特徴です。
このアラバフの作品にはポルトガル人こそ織り出されていないものの、6層に重なるメダリオンはポルトガル絨毯に酷似しており、同じデザインはマシャドのアモグリの作品にも見ることができます。
ボーダーはカルトゥーシュを連続して配置したアルデビル絨毯のそれに倣ったデザイン。

アッバス・アリー・アラバフの作品

本作もサファヴィー朝期のペルシャ絨毯のデザインを踏襲したもので、フィールドは庭園文様絨毯、ボーダーはチェルシー絨毯に倣ったデザインです。
上の2作以上にアレンジが加えられている点が特徴で、様々なミフラブを配した構図はきわめて宗教的であり、建築的でもあります。
ややもすると硬くなりがちなデザインですが、そこに流麗なペイズリー文様を加えることにより、バランスを保つことに成功しているのはさすがといえましょう。
アラバフならではの絶妙なカラーリングも注目すべきところ。
茜によって染めあげられた深みのある赤色がアクセントになり、とても美しい作品に仕上がっています。

アッバス・アリー・アラバフの作品

アラバフの作品としては珍しいほどにオーソドックスなデザインですが、ペルシャ絨毯は伝統に則って製作されるべきであるとする彼の信念が如実に表れた一枚です。
赤色をベースにしたきわめて華やかな色調ながら、小振りのメダリオンを中心に置き、それによって拡がったフィールドにはケルマン風の小花文様を配することで上品なイメージを創りあげています。
自らが描いた意匠図を他所に売り渡すことがなかったことから意匠師(デザイナー)としてはあまり知られていない彼ですが、その類まれなき才能は本作を見れば十分に理解できることでしょう。
アラバフは2007年にこの世を去りましたが、彼のデザインは息子により変わることなく引き継がれています。

【アッバス・アリー・アラバフの解説】を見る

 

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