アンティーク・オールド絨毯の基礎知識|ペルシャ絨毯専門店フルーリア東京
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アンティーク・オールド絨毯とは
製作されてから100年以上が経過した絨毯を「アンティーク」
80年を経たものを「セミ・アンティーク」
50年を経たものを「オールド」とよびます。
長い年月により醸し出された大人の風格が魅力あるアンティーク・オールドのペルシャ絨毯は
多くの美術館や博物館に収蔵されているだけでなく
サザビーズやクリスティーズなどの一流オークションハウスでも高値にて取引されています。
ペルシャ絨毯専門店フルーリア東京では博物館級のアンティーク・オールド絨毯の数々を取り揃えています。
アンティークの定義
わが国ではアンティーク絨毯はきわめて高額であると考える消費者が多いためか、アンティークではないペルシャ絨毯を「アンティーク」と称し高値で販売している業者がいます。
そうした現状に鑑み、ここではまずアンティークの定義についてご説明することにします。
アンティークとはフランス語で「古美術品」を指す単語として使われてきましたが、その定義については明確ではありませんでした。
しかし1934年、米国が通商関税法に「製造された時点から100年以上を経過した手工芸品・工芸品・美術品」と定義して以来、世界標準となっています。
世界貿易機関(WTO)でもこの定義が採用されており、アンティークであることが証明された場合、加盟国間における関税は免除されるのが通常です。
そして、欧米では100年に満たないものを「ヴィンテージ」「ジャンク」と称し、アンティークとは区別しています。
ヴィンテージは収集家の購買対象となり得るものに対して、ジャンクはそれ以外のものに対して用いられることが多く、ジャンクの中でもガラクタに近いようなものは「ラビッシュ」と呼ばれているようです。
ちなみに、ヴィンテージはもともとワインのラベルに記されたブドウの収穫年のこと。
転じて、年月が経過して味わいが出た年代物を指す言葉として使われるようになりました。
絨毯については製作されてから100年を経たものをアンティークと呼称するのは同じですが、それよりも新しいものについては「セミアンティーク」「オールド」と呼びます。
エッシー・サカイ著『カーペット・ストーリー』には……“ヴェリーオールド”は70年から90年にわたるものを意味し、“オールド”は55年位過ぎたものについて言う……とあり、国によっては年数の若干のずれや呼称の違いがあるものの、セミアンティークは製作されてから80年を経過したもの、オールドは50年を経たものを指すものと考えてよいでしょう。
アンティークの価値が、その稀少性に由来することは疑いありません。
したがって、ヴィンテージにもなり得ないジャンクやラビッシュに分類すべき品をアンティークと称して販売することは、絨毯業者でない人々ならともかく専門店としては大いに問題があります。
とりわけネットオークションはこうした業者の温床となっているようで、店頭ではとても販売できないような中古品がアンティークと説明され多数出品されているのが現状。
中にはパイルが擦り切れて地糸が露出していたり、傷んだ部分を切取って処理してあるものさえあります。
このようなものはもはやガラクタの部類で、ペルシャ絨毯としての価値はゼロに等しいと言ってよいでしょう。
こうした心ない一部の業者により、絨毯業界への信頼が大きく揺らいでいる現状を当該業者には強く認識したもらいたいです。
きわめてコンディションのよいアンティーク絨毯などそうそう目にできるものではありませんから、騙されぬようご注意ください。
画像:上からカシャーン産(1900年代)、同(1920年代)、同(1950年代)
アンティーク絨毯の名品を取扱う2大オークション・ハウス
サザビーズ(Sotheby’s)
1744年にサミュエル・ベイカーにより、初版本や希少本など書籍専門のオークション・ハウスとしてロンドンで創業。
世界最古の国際オークション・ハウスで、現在は印象派から現代美術、アジア美術、宝飾品、時計など幅広く取扱っています。
最近では2012年にムンク作『叫び』が1億1992万ドル(約96億1200万円)で、2018年にはアメデオ・モデリアーニ作『裸婦像』が1億5720万ドルで落札。
絨毯では、2013年に17世紀中頃にケルマンで製作されたと言われるクラーク・サイクル・リーフ絨毯が絨毯としては史上最高額の3370万ドル(約32億円)で落札されました。
URL:https://www.sothebys.com
クリスティーズ(Christie’s)
1766年に美術商のジェームズ・クリスティーが、美術品専門のオークション・ハウスとしてロンドンで創業し、やがて世界最大のオークション・ハウスに成長。
2017年にレオナルド・ダ・ヴィンチ作『サルバトール・ムンディ』が絵画としては史上最高額の4億5,030万ドル(約504億円)で落札され、世界の話題をさらいました。
また2008年には、運慶作『大日如来坐像』が1,437万ドル(約14億円)で日本人に落札されています。
絨毯では2010年に17世紀中頃にケルマンで製作されたと言われる花瓶文様絨毯が720万ユーロ(約7億2,000万円)で、2008年には17世紀初頭ににイスファハンで製作されたと推定されるシルク絨毯が445万ドル(約4億7,000万円)で落札されました。
URL:https://www.christies.com
日本でアンティーク絨毯の名品が見られる博物館・美術館
遠山記念館
1970年、日興証券創業者、遠山元一の邸宅と美術工芸コレクションをもとに開館。
17世紀以降のペルシャ絨毯、インド絨毯を収蔵。
所在地:埼玉県比企郡川島町大字白井沼675
電話:049-297-0007
休館日:月曜日、年末年始ほか
開館時間:10:00-16:30(入館16:00まで)
休館日:月曜日、年末年始ほか
入館料:大人700円、高校・大学生500円、小中学生以下無料
URL:https://www.e-kinenkan.com/
徳川美術館
1935年、尾張徳川家第19代当主、徳川義親が開設。
尾張徳川家に伝わる17~18世紀に製作されたと推定されるペルシャ絨毯あるいはインド絨毯を収蔵。
所在地:愛知県名古屋市東区徳川町1017
電話:052−935−6262
入館料:一般1400円、高校・大学生700円、小中学生500円
休館日:月曜日(祝日・振替の場合は翌日)
開館時間:10:00〜17:00(入館16:30まで)
URL:http://www.tokugawa-art-museum.jp/
白鶴美術館
1934年(昭和9年)に白鶴酒造第7代当主、嘉納治兵衛が開設。
60年記念事業として1995年に新館(絨毯館)が開館し、第10代当主の秀郎が収集した、19世紀後半から20世紀前半に製作されたペルシャ絨毯、トルコ絨毯、コーカサス絨毯を収蔵。
この新館は日本唯一の絨毯博物館と言えるものです。
所在地:兵庫県神戸市東灘区住吉山手6丁目1-1
電話:078-851-6001
休館日:月曜日
開館時間:10:00~16:30(入館16:00まで)
入館料:大人800円、65歳以上・大学・高校生500円、中・小学生250円
URL:http://www.hakutsuru-museum.org/
ミホミュージアム
1997年、神慈秀明会主、小山美秀子のコレクションをもとに開館。
サファヴィー朝のアッバス1世の時代に製作された、サングスコ絨毯の名品を収蔵。
所在地:滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
電話:078-851-6001
休館日:春季・夏季・秋季、各会館期間中の月曜日(祝日の場合は各翌平日)
開館時間:10:00~17:00(入館16:00まで)
入館料:大人1,100円、大学・高校生800円、中・小学生300円
URL: http://www.miho.or.jp/
※訪問に際しては必ず展示状況をご確認ください。
イラン絨毯博物館が所蔵するアンティーク絨毯の名品
動物文様絨毯(サングスコ)
年代:16世紀
産地:タブリーズ(カシャーン)?
寸法:300×586(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ(補修)
構造:トリプル・ウェフト
ノット:トルコ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿、毛
パイル:毛
ノット数:40ラジ
動物文様絨毯
年代:17世紀
産地:タブリーズ
寸法:166×230(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:ダブル・ウェフト
ノット:トルコ結び
縦糸:絹
横糸:木綿、銀糸
パイル:毛
ノット数:65ラジ
パネル文様絨毯
年代:1805~1809年(同博物館の見解による)
産地:タブリーズ
寸法:336×425(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ(補修)
構造:ダブル・ウェフト、ルール・バフト
ノット:トルコ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿
パイル:毛
ノット数:60ラジ
樹木文様絨毯
年代:20世紀初頭
産地:タブリーズ
寸法:136×185(cm)
染料:天然染料
エッジ:平エッジ
構造:ダブル・ウェフト
ノット:トルコ結び
縦糸:絹
横糸:木綿
パイル:絹
ノット数:60ラジ
アラベスク文様絨毯
年代:1906年
産地:ビジャー
寸法:200×313(cm)
染料:天然染料
エッジ:平エッジ
構造:ダブル・ウェフト
ノット:トルコ結び
縦糸:絹
横糸:木綿
パイル:毛
ノット数:70ラジ
ハシュト・ゴル文様絨毯
年代:19世紀
産地:セネ
寸法:126×185(cm)
染料:天然染料
エッジ:平エッジ
構造:シングル・ウェフト
ノット:トルコ結び
縦糸:絹
横糸:木綿
パイル:毛
ノット数:55ラジ
メダリオン文様絨毯
年代:18世紀(同博物館の見解による)
産地:フェラハン
寸法:130×195(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:ダブル・ウェフト、ルール・バフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿
パイル:毛
ノット数:45ラジ
メダリオン文様絨毯
年代:1900年
産地:サルーク~フェラハン
寸法:144×210(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:ダブル・ウェフト、ニム・ルール・バフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿
パイル:毛
ノット数:50ラジ
ゴル・ファランギ文様絨毯
年代:20世紀初頭
産地:マラヤー
寸法:120×202(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:シングル・ウェフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿
パイル:毛
ノット数:40ラジ
動物文様絨毯
年代:16世紀
産地:カシャーン
寸法:168×233(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:ダブル・ウェフト、ルール・バフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿
パイル:絹
ノット数:60ラジ
細密画文様絨毯
年代:18世紀(同博物館の見解による)
産地:カシャーン
寸法:260×350(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:ダブル・ウェフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿、毛
パイル:毛
ノット数:45ラジ
パルメット文様絨毯(ポロネーズ)
年代:17世紀
産地:イスファハン
寸法:137×217(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:トリプル・ウェフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿、絹
パイル:絹、金糸、銀糸
ノット数:55ラジ
獣帯文様絨毯
年代:19世紀(同博物館の見解による)
産地:イスファハン
寸法:148×218(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:ダブル・ウェフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿、毛
パイル:毛
ノット数:55ラジ
ミフラブ文様絨毯
年代:19世紀(同博物館の見解による)
産地:イスファハン
寸法:258×343(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:ダブル・ウェフト、ルール・バフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿、毛
パイル:毛
ノット数:70ラジ
パルメット文様絨毯
年代:1910年頃
産地:イスファハン
寸法:345×500(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:ダブル・ウェフト、ルール・バフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿
パイル:毛
ノット数:70ラジ
作者:アブドラヒム・シュレシ?
千花文様絨毯
年代:1900年頃
産地:ケルマン(ラバー)
寸法:196×296(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:ダブル・ウェフト、ルール・バフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿
パイル:毛
ノット数:85ラジ
作画:ハサン・ハーン・シャーロキ
作者:アリー・ケルマニ
人物文様絨毯
年代:1910年頃
産地:ケルマン(ラバー)
寸法:190×292(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:ダブル・ウェフト、ルール・バフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿
パイル:毛
ノット数:80ラジ
作画:ハサン・ハーン・シャーロキ
作者:アリー・ケルマニ
人物文様絨毯
年代:1910年頃
産地:ケルマン(ラバー)
寸法:340×530(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:ダブル・ウェフト、ルール・バフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿
パイル:毛
ノット数:65ラジ
作画:ハサン・ハーン・シャーロキ?
作者:アリー・ケルマニ?
狩猟文様絨毯
年代:1910年
産地:ケルマン(ラバー)
寸法:327×489(cm)
染料:天然染料
エッジ:丸エッジ
構造:ダブル・ウェフト、ルール・バフト
ノット:ペルシャ結び
縦糸:木綿
横糸:木綿
パイル:毛
ノット数:60ラジ
作画:ハサン・ハーン・シャーロキ?
作者:アリー・ケルマニ?
店舗案内
名称 | Fleurir – フルーリア – |
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会社名 | フルーリア株式会社 |
代表者 | 佐藤 直行 |
所在地 | ■ショールーム ■フルーリア株式会社本社(事務所のみ) ■世田谷倉庫 ■イラン事務所 ■フルーリア警備保障本部 |