ペルシャ絨毯の文様(図柄、デザイン)

ペルシャ絨毯の図柄(文様、デザイン)について

ペルシャ絨毯の図柄(文様、デザイン)について

 

アラベスク文様

アラベスク文様

アラベスクは本来「アラビア風文様」の意ですが、ペルシャ絨毯でいうアラベスクは二股に分かれた鋭利な花文様を指します。
形状が龍の角に似ていることから「ドラゴン・ヘッド」とも呼ばれます。
サファヴィー朝の時代にはこの文様を主役にした作品が製作されており、19世紀末のビジャー絨毯にも同様のデザインを見ることができます。
20世紀に入ってからはイスリム文様の先端を飾る装飾として、あるいはボーダーやガードのデザインとして使用されることが多くなりました。
一対のアラベスクでパルメットを囲ったデザインは、形がそれに似ていることから「サモワール」(湯沸器)と呼ばれます。

イスリム文様

イスリム文様

イスリムは「蔓草」の意。
フィールド上に螺旋を描くように配置されるのが一般的です。
絨毯のデザインに躍動感を与えるものとなっています。

糸杉文様

糸杉文様

糸杉はイランでは清廉潔白または容姿端麗の象徴として例えられます。
戴冠式絨毯に見られるようにサファヴィー朝の時代から用いられているモチーフですが、最近ではパネル文様に描かれる文様の一つとして登場することが多くなっています。

折れた枝文様

折れた枝文様

イランではシャーヘ・シェカステとよばれる幾何学的な植物文様。
シャーフは「枝」、シェカステは「折れた」の意で、植物の茎が折れた枝のように見えることからそう呼称されます。
タブリーズやクムのほか、クムのデザインを採用しているザンジャンやマラゲで産出される絨毯に用いられていましたが、最近ではあまり見かることがありません。

隠し絵文様

隠し絵文様

細密画に見られる隠し絵の技法を採り入れた文様。
細密画風の作品だけでなく、アラベスク文様やジル・ハキ文様とともに用いられることもあります。
ユーモア好きのイラン人の性格を反映する文様と言ってよいでしょう。

額縁文様

額縁文様

額縁はペルシャ語でガーブで、額縁文様は「ガービ」と呼ばれます。
コンパートメント文様と混同されることがありますが、コンパートメント文様とは異なり、はっきりとした枠組が設けられているのが特徴。
ストライプ文様などと組み合わせて使用されることもあります。

カタリナの輪文様

カタリナの輪文様

アラク地方の絨毯に見られます。
カタリナとは「アレクサンドリアのカタリナ」のことで、キリスト教の聖人で殉教者。
彼女はローマ皇帝であったマクセンティウスにキリスト教への迫害をやめるよう説いたため、大きな車輪に括りつけられて転がされるという拷問を受けたと伝えられます。
この文様は拷問具を意匠化したものではなく、ロゼット文様の進化形であると考えられます。

花瓶文様

花瓶文様

花瓶はペルシャ語で「ゴルダニ」。
水を湛えた花瓶から花々が湧き出す姿は、砂漠の民であるイラン人たちにとって豊かさの象徴であり続けてきました。
有名な花瓶文様絨毯に見られるように、サファヴィー朝期には既にこの文様の絨毯が製作されており、ペルシャ絨毯の文様としては長い歴史を持つものと考えられます。
フィールドやメダリオン・コーナーの装飾として用いられるほか、ミフラブ文様と組み合わせた「ミフラブ・ゴルダニ」や、花瓶文様を連続させた「ジリ・スルタニ」等、様々な使用例があります。
ジリ・スルタニはカジャール朝期のイスファハン総督であったジリ・スルタンの名に由来したものと言われます。

ガラット文様

ガラット文様

ガラットはペルシャ語で「普通でない」「珍しい」の意。
文様としてのパターンがある訳ではなく、ペルシャ絨毯における文様の分類から外れたデザインの総称です。

カルトゥーシュ文様

カルトゥーシュ文様

カルトゥーシュとは紋章や文字を囲む装飾枠飾りのことで、イランでは「キャティベ」と呼ばれます。
絨毯には作者名や詩を囲んだり、ペンダントに連なる形で使用される例がよく見られます。
メダリオンを囲むようにフィールド全体に配されたカルトゥーシュ文様としてはクムのミールメヒディの作品が有名です。

ガンディール文様

ガンディール文様

ガンディールは「吊ランプ」の意。
ミフラブ文様に組み合わせられるほか、メダリオンの外周を飾る装飾あるいはメダリオンから延びるペンダントとして用いられます。

ギュル文様

ギュル文様

ギュルはトルクメンの部族の紋章です。
ペルシャ絨毯に見られるのはテッケ・ギュルとジュバル・ギュルがほとんど(※よくある質問・上級編を参照)。
イラン国内に暮らすトルクメンはヨムート族が大半で、残りはテッケ族とギョクレン族ですが、いまでは部族に関係なく人気のあるギュルを織るようになっています。

クーフィー文様

クーフィー文様

クーフィーはペルシャ語にも用いられているアラビア文字の書体の一種。
アッバス朝の都であったイラク中央部の町クーファに由来し、アラビア文字の書法としては最古のものとされています。
モスクなどのタイル装飾の文様としても使用され、とりわけイランにおいては聖なる名前で建物全体を覆う「バンナーイ」と呼ばれる技法が生まれました。

雲のリボン文様

雲のリボン文様

15世紀に中国より伝わったと言われる文様で、「クラウド・バンド」と俗称されます。
形が似ているものがあることからギリシャ文字のΩ(オメガ)を模ったものと説明されることがありますが、それは間違いで、古くから様々なバリエーションが存在しています。

コーカサス文様

コーカサス文様

イランでは「カフカズ」と呼ばれるコーカサス風の幾何学文様を指します。
イラン北西部のアルデビルやメシキンシャハルのほか、北東部のグーチャン、中央部のクムでもこの文様の絨毯が製作されています。

小花文様

小花文様

イランでは「ゴル・リズ」と呼ばれる文様で、19世紀末から20世紀初頭に活躍したマシャドの絨毯作家、アモグリの作品が有名。
最近ではクムで産出されるシルク絨毯のデザインに多く見られます。

ゴル・ファランギ文様

ゴル・ファランギ文様

ゴルは「花」、ファラングは「ヨーロッパ」で、ゴル・ファランギは「ヨーロッパの花」の意です。
19世紀後半にフランスのオービュッソンやサボネイルで製作されたカーペットのデザインを模したもので、写実的な花文様を束ねたデザイン。
19世紀末から20世紀初頭にかけて製作されたセネ産やビジャー産に見られるほか、アメリカン・サルークにもこのデザインが採用されています。
いまでは主役となることはあまりなく、デザインに華やかさを演出するアクセントととして用いられることが多いようです。

ゴロ・ボルボル文様

ゴロ・ボルボル文様

ゴルは「花」、ボルボルは「ツグミ」。
イスファハンの細密画家、ホセイン・モッサバル・アルモルキのデザインとされ、セーラフィアン一家の作品が有名ですが、タブリーズのアジムザデ・タギーザデが考案したとする説もあります。

ゴンバド文様

ゴンバド文様

モスクのドーム真下から仰視したデザイン。
ゴンバドはドームの意で、イランでは「ゴンバディ」と呼ばれます。
オジーブを放射状に連続させたものですが、フィールド全体に配されることもあれば、メダリオンとして使用されることもあります。
後者の中でもメダリオンを4本の柱で支えたデザインは「シャヒアット」と呼称されます。

コンパートメント文様

コンパートメント文様

コンパートメント文様はイランでは「バンディ」と言いますが、バンドはアラビア語起源のペルシャ語。
普段、日本人が何気なく使っているバンド(帯)という語も実はここから来ています。
コンパートメント文様はいわゆる連結文様ことで、あるモチーフを一定方向へ直線あるいは曲線で繋いだものです。

細密画文様

細密画文様

細密画は書物の挿絵などに用いられた細密で装飾的な絵画のことで、ミニアチュールと呼ばれます。
起源はアッバス朝期の宮廷に遡り、13世紀にイル・ハン朝を興したモンゴル人が中国絵画の技法を伝え、独自の発展をするに至ったと伝えられます。
ティムール朝の時代に最盛期を迎えましたが、ペルシャ絨毯の文様として採り入れられたのは19世紀末のことで、絨毯を壁掛としても用いる欧米人へ向けて輸出されました。

シェイフ・サフィ文様

シェイフ・サフィ文様

1539・40にマクスド・カシャーニが製作したいわゆる「アルデビル絨毯」のデザインで、円形のメダリオンの周囲に16弁のオジーブを配し、それを四分割したものをコーナーに採用したもの。
アルデビル絨毯が奉納されていたシェイフ・サフィー廟からそう呼称されます。
シェイフ・サフィーはサファヴィー朝の母体となった神秘教団の開祖の名です。

四季文様

四季文様

タブリーズの絨毯作家、イジャディによるデザインで「チャハル・ファスル」と呼ばれます。
フィールドを四分割し、春夏秋冬の景色を配したもの。
中央にはダリウス1世の肖像が置かれるのが通常です。

枝垂れ柳文様

枝垂れ柳文様

イランでは「ビード・マジュヌーン」と呼ばれる文様で、ビードは「柳」、マジュヌーンは「狂人」を意味します。
狂人とはニザーミの叙事詩『レイラとマジュヌーン』の主人公カイスのこと。
レイラという名の美女に恋するあまり狂人となったカイスがゆらゆらと歩く姿を風に揺れる柳に例えたものと言われます。
クルドやバクチアリが製作する絨毯のほか、ジョーシャガンやメイメで産出される絨毯にも見ることができます。

樹木文様

樹木文様

樹木はペルシャ語でデラフトと言い、樹木文様は「デラヘティ」。
樹木は水の所在を表し、また果実を湛える樹木は生命の象徴とされてきました。
それゆえ「生命の樹」と呼ばれることもあります。
古来イランでは庭に果樹園を設けることはステイタスであり、それは現在も変わりません。
フィールドいっぱいに樹木のみを配したもの、二本の樹木をミフラブ文様と組み合わせたものなど、様々なパターンがあります。
中でも様々な灌木をフィールド全体に配したデザインは「クンメ」と呼ばれます。

狩猟文様

狩猟文様

サファヴィー朝第2代君主であったイスマイル1世の時代に製作された絨毯にあるように、宮廷画家によって描かれたデザインをもとにしたものと推測されます。
背後に向けて騎射する姿は「パルティアン・ショット」と呼ばれ、ササン朝の軍勢に追われたアルケサス朝の兵士の姿を連想させることからそう名付けられました。

ジョーシャガン文様

ジョーシャガン文様

ジョーシャガンはイラン中央部、イスファハン州にある町の名。
ジョーシャガンと隣接するメイメで産出される絨毯のデザインとして有名です。

ジル・ハキ文様

ジル・ハキ文様

ジル・ハキはペルシャ語で「土の中」を意味します。
土中から出土した壺や器、水差し等を意匠化したもので、タブリーズやカシュマールで産出される絨毯によく見られます。

スカラベ文様

スカラベ文様

スカラベは甲虫のフンコロガシのこと。
フンコロガシが動物の糞で作る球体が太陽を連想させることから、古代エジプト人はこの虫を太陽神ケペリの化身として、また復活の象徴として崇拝し、これを形どって護符としていました。
カシュガイが製作する絨毯にスカラベを連想させる文様が見られ、話の面白さもあってか、それに関連づけて語られることが多いのですが、実はまったく関係ないことがわかっています。
とは言え、この文様が何に由来するものかについては甚だ曖昧で、羊の角だの蠍だの言われるものの、決定打となるものはありません。
カシュガイに隣接するハムセが製作する絨毯にもこの文様を用いたものがあります。 。

ストライプ文様

ストライプ文様

もとはカシュガイのデザインで、イランでは「モハラマト」と呼ばれます。
カシュガイのほか、テヘランやクムなどで産出された絨毯にも見ることができます。

千花文様

千花文様

イランでは「ヘザーレ・ゴル」と呼ばれる文様で、ケルマン地方の絨毯に代表されます。
フィールド一面を花々で覆った華やかなデザイン。

走犬文様

走犬文様

ペルシャ絨毯のガードに使用される事が多い文様で「ランニング・ドッグ」と呼ばれます。
走る犬の意ですが、単なる俗称にすぎません。
古来イスラム世界では犬は不浄の動物とされ、それゆえ絨毯のモチーフとして登場することは稀でした。
最近になってイランでも犬を飼う人が現れはじめましたが、人目を避けて夜に散歩させるなど、まだまだ気遣いが絶えないようです。
文様の由来については明確ではありませんが、魔除けとなる火をイメージしたものではないかと考えられます。

タイル文様

タイル文様

イランでは「カシ・カリ」と呼ばれるタイル装飾を絨毯の文様として採り入れたもの。
イスラム建築には欠かせないタイル装飾ですが、イランではサファヴィー朝の時代に「ハフト・ランギ」(7色)と呼ばれる色の混ざらない彩釉タイルが生産されるようになり、カシャーンとタブリーズは、その産地として有名でした。
余白が残ることを嫌ういわゆる「空間の恐怖」から、繰り返しによって無限に広がる文様が主流です。

庭園文様

庭園文様

ティムール朝後期からサファヴィー朝初期にかけて活躍した宮廷画家、ビフザド(1455年?~1530年代)が考案したとされるデザインで、ペルシャ式庭園を真俯瞰で意匠化したもの。
ビフザドは細密画の権威として知られ、ティームール朝のヘラート政権君主であったホセイン・バイカラに仕えた後、サファヴィー朝のイスマイル1世によって宮廷工房の長に任じられました。
16~17世紀の作品ではフィールド上に十文字あるいはH形に水路を配したデザインですが、18世紀に入るとより複雑な形に変化しました。

動物文様

動物文様

紀元前5世紀頃に製作されたと推定される「パジリク絨毯」にはトナカイに似た鹿の姿が織り出されており、絨毯の文様として長い歴史を持つものと考えられます。
サファヴィー朝期に製作された絨毯には、おそらく宮廷画家が描いた下絵に基づいたであろう躍動感あふれる動物がフィールドを飾っていて、当時からすでに人気のモチーフであったことがわかります。
よく見かけるのはライオンや豹、鹿や兎などですが、13世紀のモンゴルの侵攻により伝えられた龍や麒麟など、中国の想像上の動物を織り出したものもあります。

鳥文様

鳥文様

鳥はペルシャ語で「パランデ」。
『コーラン』にはソロモンがしたためた来訪を求める手紙を、戴勝(やつがしら)がシバ(現在のイエメン)のビルキス女王のもとへ届けた記述があり、古来イスラム世界では鳥はよい知らせを運んでくれる存在として愛されてきました。
イランでは現在も小鳥を飼うことは紳士淑女の嗜みとされています。

歯文様

歯文様

「ティース・パターン」と俗称される文様で、三角形を一列に並べたもの。
都市部においてはガードに使用される場合がほとんどですが、農村部や部族民の絨毯では、菱形や六角形のメダリオンの外周に配されることもあります。

ハサン・ハニ文様

ハサン・ハニ文様

20世紀初頭に活躍したケルマンの下絵師、ハサン・ハーンが考案したもので、フィールド上に大きく配した楕円形の中に人物や風景を織り出した窓絵風のデザイン。
ケルマンのほか、タブリーズ、クム、サルークなどで用いられています。

ハジ・ハヌミ文様

ハジ・ハヌミ文様

小さなロゼット(後述)を整然と並べたデザインで、ゴルパイガンやクムなどで産出される絨毯によく見るデザイン。
古いテヘラン産やカシャーン産などでは、ミフラブ文様と組み合わせた花瓶文様に取り入れられたものもあります。
日本の小紋を連想される愛らしい文様です。

ハシュト・ゴル文様

ハシュト・ゴル文様

古いセネ絨毯に見られるデザインで、八つのペイズリーを花状に並べたもの。
オールオーバーとして用いられることがほとんどです。

ハタム文様

ハタム文様

ハタムは寄木細工の意。
寄木細工はハタム・カーリーと呼ばれ、現在もイランの伝統工芸品の一つとしてイスファハンなどで製作されています。

パネル文様

パネル文様

庭園文様が進化したもので、イランでは「ヘシュティ」と呼ばれます。
ヘシュトは日干煉瓦のこと。
縦横に規則正しく配置された水路がそれに見えることからつけられた呼称です。
もとはバクチアリが製作する絨毯のデザインであったことから「バクチアリ・デザイン」と呼ばれることもありますが、いまではクム産やビルジャンド産にも多く見られます。

ハルチャンギ文様

ハルチャンギ文様

ハルチャングは「蟹」の意。
ナナジで産出される絨毯に見られるデザインで、ややジオメトリックに織り出された花葉が蟹を連想させることからそう呼ばれますが、蟹を意匠化したものではありません。
欧米では「ブロッサム・パターン」と呼ばれることもあります。

パルメット文様

パルメット文様

花の側面形を意匠化したもので、花の種類については百合の花と説明されることが多いのですが、正しくは「蓮の花」です。
蓮は水に浮くことから、古来イランやインドでは豊穣のシンボルでした。
パルメット文様はイランでは「シャー・アッバシー」と呼ばれ、ペルシャ絨毯のデザインとしては最もポピュラーなもの。
シャー・アッバシーはサファヴィー朝第5代君主であったアッバス1世の名に由来するものです。

風景文様

風景文様

イランでは「マンザレ」と呼ばれるデザインで、風景を写実的に織り出したもの。
19世紀後半になってから欧米人の趣向に合わせて考案されたもので、サファヴィー朝期までの絨毯にはなかったデザインです。

部族文様

部族文様

ペルシャ語では「イリヤティ」。
イルは部族の意で、部族調のデザインをこう呼びます。
特定の文様を指したものではなく、デザインの総称です。

ペイズリー文様

ペイズリー文様

ペイズリー文様の起源はイランにあると言われ、ゾロアスター教徒が拝む炎を意匠化したとする説、風に揺れる糸杉に由来するとした説等、様々な説があります。
イランからインドに伝わり、やがてカシミール地方で産出されるショールのデザインとして定着しました。
その後、19世紀に英国スコットランドのペイズリー市でこの文様の織物の製作が盛んになったことから、この名で呼ばれるようになったと言われます。
イランでは「ボテ」と呼ばれるペイズリー文様は、ケルマン地方のショールの文様としてカシミールから逆輸入され、ショール産業の衰退に伴い絨毯のデザインに採用されるようになりました。

ヘバトゥルー文様

ヘバトゥルー文様

ヘバトゥルーはカシュガイの支族名に由来するものと言われます。
六角形のフィールド上に菱形のメダリオン、コーナーにはハシュト・ゴルやスカラベ等の文様を配したデザインで、カシュガイやアバデで産出される絨毯のデザインとして有名です。

ヘラティ文様

ヘラティ文様

ヘラティはロゼットを囲った菱形の四方をパルメットとアカンサスの葉で飾った文様で、イランではアカンサスの葉の形状が魚に似ていることからそれを指す「マヒ」と呼ばれます。
ヘラティ文様の起源についてはアナトリア高原やクルディスタンとする説もあるものの、一般にはホラサン地方と考えられており、ヘラティの名はかつてホラサン地方の中心都市であったヘラート(現在はアフガニスタン領)に由来します。
18世紀のナーディル・シャーの遠征によりイラン各地に拡がったとされています。

マシャエキ文様

マシャエキ文様

フィールド全体に鳥が羽を広げたような形のカルートゥーシュをあしらったデザイン。
タブリーズやサルーク、サラブで産出される絨毯に見られ、ヘラティ文様が配されるのが一般的です。
マシャエキはタブリーズの絨毯商の名。

ミナ・ハニ文様

ミナ・ハニ文様

ロゼットを菱形で囲い四方にロゼットとパルメットを配した文様。
ヘラティ文様に似ていますがアカンサスの葉はないのが特徴。ミナ・ハニの名はミナ・ハーンに由来するものと言われます。
ベラミンで産出される絨毯の代表的文様として知られていますが、バルーチ等の部族民もこの文様を用いています。

ミフラブ文様

ミフラブ文様

ミフラブはモスクの壁龕のこと。
イスラム教徒にとっては「天国への入口」を意味します。
もとは礼拝に用いる簡素なデザインでしたが、のちに華美な装飾が施されるようになりました。
花瓶文様と組み合わせた「ミフラブ・ゴルダニ」が多く見られますが、とりわけ柱を配した玄関ポーチ風のデザインは「サルダル・ガーヒ」と呼称されます。

ミール文様

ミール文様

ミールは「松ぼっくり」の意。
ペイズリー文様を簡素化し更に小型化したもので、西洋梨のようなズングリとした形状が特徴です。
セラバンド地方の絨毯のデザインとして有名ですが、とりわけ19世紀から20世紀初頭にかけて製作されたセラバンド絨毯は「ミール・セラバンド」と呼ばれています。

メムリンク文様

メムリンク文様

クルドやルリの絨毯に見られる文様で、階段状の菱形の周りを直角にカーブした鉤状の飾りで囲ったもの。
「メムリンクのギュル」とも呼ばれます。
(ハンス)メムリンクは15世紀後半に活躍したベルギーの画家で、初期フランドル派を代表する画家の一人。
『聖ヤコブと聖ドミニコの間にいる聖母マリアとその子』(1488〜1490年作)にこの文様を織り出した、おそらくアルメニア産であろう絨毯が描かれていることから、彼の名で呼ばれています。

モストフィ文様

モストフィ文様

二対の渦巻状のイスリムをゴル・ファランギの花束に連結させたデザイン。
19世紀末から20世紀初頭にかけてサルークに近いメイガンで製作された絨毯のデザインとして知られています。
モストフィの呼称は19世紀後半にタブリーズからアラク地方にやってきた絨毯商の名に由来するとされますが、詳しいことはわかっていません。

龍文様

龍文様

龍(ドラゴン)は中国から伝わり、戴冠式絨毯などサファヴィー朝に製作された絨毯にも登場するモチーフ。
コーカサス絨毯にはかなりデフォルメされた龍を織り出した作品があり、同様のデザインはイランでは北西部のアゼルバイジャン地方のほか、北東部のグーチャンで産出される絨毯に見ることができます。

ロゼット文様

ロゼット文様

花形装飾を表す言葉で、ロゼットは薔薇(ローズ)に由来します。
中心から放射状に花弁を配したその文様は、古代エジプトに起源をもつものと言われます。
エジプトからアッシリア王国、そしてアケメネス朝ペルシャへと伝搬したとされますが、そのモチーフは語源となった薔薇ではなく、蓮の花であるというのが定説。
ペルシャ絨毯ではボーダーに配されることが多く、「カタリナの輪」と俗称される突起のついた花文様もロゼット文様の変形と考えられます。

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